「「は?マジ?」」
かおとまこが声を合わせていった。
そりゃ、そうだ。
勝希と雅に告られたことを報告したからだ。
「で、どっちが好きなの?」
かおがすぐに食いついてくる。
「勝希も雅も恋愛対象として見てなかったから。」
「「なるほど。」」
恋愛対象として見てたら、どっちか好きになってるよ。
でも、見たことなかったから。
「いままで、そういう雰囲気にはならなかったの?」
まこが言う。
「ならなかった。ずっと友達って思ってて。」
中学からだよ?
勝希に関しては小学校から。
ずっと、仲良くしていたいって思ってた。
でも、それは無理なのかもしれない。

1日の授業が終わった。
私は中学と同じ図書委員になった。
放課後、図書室のカウンター当番をする日だ。
最後は鍵閉めまでしなければならない。
今はテスト前だから人が妙に多い。
学校には自習室もあるからそっち使えばいいのに。
不運だな。
「お願いしまーす」
「はい。どうぞ。」
本の貸出も普通に行われる。
今は4時、7時まで当番をしなければならない。
はぁ、私も本でも読もうかな。
ガラガラ。
入ってきたのは雅。
「よう。今日が期限なんだよ。」
「へぇー」
軽い沈黙。
やっぱり、少し気まずい。
「はい、おねがい」
手続きが終わるとカウンターの中に入ってくる。
「ひまなんでしょ?」
雅は分かってくれていた。
「まぁね。」
雅は私の考えてることがすぐわかる。
眠いときも、「寝とけば?」と言ってくれたり、
テスト前も「勉強しとけばよかった?」って言ったりする。
当たり過ぎてて怖い時もあるけどね。
「なんの本?」
「えっと・・・」
「その本、勝希も読んでた」
「へぇ。」
この本、すごい面白いんだよね。
それに、暇つぶしにはなかなかいいチョイスだと思う。