大好きな君へ〜私はもう大丈夫だよ〜

悠side


今日、恋が気を失ったのは2回目。

どちらも原因はこいつだ。

俺の中を負の感情が渦巻く。

悠「俺は五十嵐 悠。お前は春風の総長だな?」

嵐「そうだ」


嵐の顔を見てさらに感情が高ぶる。

恋を苦しめたのはこいつだと。

殴りたいと思ってしまう。

しかし、その思いを抑え込み


悠「恋に、関わるな」


それだけ言うと、俺は恋を抱き上げた。

嵐を一瞥し、そのまま帰路についた。


きっと……もうこれ以上は持たない。

バレるのも時間の問題だろう。

この変装とも別れるときがきたか。

後悔はない。恋のためだから。

嵐が、嵐たちが俺を一般人だと思う限りは恋を助けることはできないだろう。


恋を姫に――

いや、これだけはまだ無理だろう。

恋の中には忘れられないやつがいるから。


恋をこれ以上苦しめないためにも、俺が……どうにかしなきゃ。




恋のためなら俺は何でもできる。





悠side終