大好きな君へ〜私はもう大丈夫だよ〜


悠side



俺の腕の中で眠る恋を見る。

白い肌で少し赤みがかった頬。

今は見えないが蒼い綺麗な瞳。

恋は美少女だ。


高校生にしては顔立ちがまだ幼い。

その幼さが可愛さをより引き立てるのだ。


恋は人の温もりに飢えている。

恋に温もりを与えていたやつが1人だけいた。

でも、そいつはもういないのだ。


だから、俺が恋に温もりを与える。

見た目だけじゃなく中身もまだ幼い恋を、俺は好きになった。


恋には恋愛対象として見られていないだろう。

でも、俺は恋が好きだ。

こうして恋を寝かしつけている時間は俺だけのものなんだ。

俺は学校でも恋を支えたいと思っている。

でも、恋がそれを嫌がった。


考えてみればわかることだ。

美少女である恋に近づきたいやつは山のようにいる。

でも、恋は男嫌いである。

男に触られると過去を思い出してしまうのだろう。


俺が不用意に近づくことで、男によっては大丈夫だということがバレてしまう。

まぁ、それは隆守さんたちでも同じことなんだが。


俺が嫌がられた理由はもう一つある。

それは俺が全国2位の閃華という暴走族の総長だからだ。

学校では髪を恋と同じゴールドアッシュから茶色に変えている。


今のところはバレてないみたいだが、いつバレるかわからないため不用意に近づくと恋に被害がいってもおかしくない。

いっそ閃華の姫だと公表したいが、恋はそれを嫌がった。


恋は自分の存在がバレることで閃華の弱みになると思っているらしい。

だから、頑なに嫌がるのだ。




悠side終