大好きな君へ〜私はもう大丈夫だよ〜


.+*:゚+。.★゛


夜が近づき、私は『蒼』へと変わる。
黒髪のウィッグを被り、ひとつ大きく息をつく。


蒼「真、店開けるか?」

秋「蒼か。開けてもいいぞ」

蒼「了解」


俺は管理室に行き、外の看板のライトを一斉につけた。

こうして、夜のネオンに翔竜が溶け込んだ。

夜のネオンとは言っても、今はまだ少し明るい。

この手の店では開店には少し早いだろう。


しかし、翔竜のNo.1が既に店にいる。

クラブでもないからNo.1とかないけど。

まばらではあるが少しずつ客が入り始め、俺は定位置であるバーカウンターについた。

頼まれたものを作り、笑顔で差し出すだけの簡単な仕事。

客は女だけだから揉め事があろうと、簡単に止められる。

力が……弱いから。


ふと、店内に今までにない空気が流れる。


蒼「来たか」


春風だ。

ダダ漏れではないにしろ、多少の殺気が空気に溶けている。

俺はそれを感じ取ったが、こいつらの接客は真の担当だ。

俺は目の前の客に集中しカクテルを作った。

やがて春風の奴らは真に連れられ、奥の部屋へと入って行った。