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夜が近づき、私は『蒼』へと変わる。
黒髪のウィッグを被り、ひとつ大きく息をつく。
蒼「真、店開けるか?」
秋「蒼か。開けてもいいぞ」
蒼「了解」
俺は管理室に行き、外の看板のライトを一斉につけた。
こうして、夜のネオンに翔竜が溶け込んだ。
夜のネオンとは言っても、今はまだ少し明るい。
この手の店では開店には少し早いだろう。
しかし、翔竜のNo.1が既に店にいる。
クラブでもないからNo.1とかないけど。
まばらではあるが少しずつ客が入り始め、俺は定位置であるバーカウンターについた。
頼まれたものを作り、笑顔で差し出すだけの簡単な仕事。
客は女だけだから揉め事があろうと、簡単に止められる。
力が……弱いから。
ふと、店内に今までにない空気が流れる。
蒼「来たか」
春風だ。
ダダ漏れではないにしろ、多少の殺気が空気に溶けている。
俺はそれを感じ取ったが、こいつらの接客は真の担当だ。
俺は目の前の客に集中しカクテルを作った。
やがて春風の奴らは真に連れられ、奥の部屋へと入って行った。

