……今日は本番の日。


負けたら引退。勝ったら次もある。


選択肢は2つだけの大会だった。


去年の雅たちなら、俺らの代で頑張ろうとか。

言えたはずだけど次なんてもうないんだ。……これが、スポーツだよね。


「菜乃花、おはよ!」


「え??沙織!?どうしたの??」

沙織があたしのところにいると言うことは野球部の応援ってことだよね??

「んー。行こうと思って!ほら、この頃仲良くしてもらってるし。応援くらいなら……。あと、差し入れ!おにぎりだけど」

笑いながら言う沙織にあたしは、小川くんが好きになる理由がわかる気がした。


「ありがとー!喜ぶと思う!じゃあ、行こっか!」


そう言って、待ち合わせの駅まで歩いていった。