あの海の日からの記憶があまりない。

もう、海のときから1週間もたったと言うのに……雅とは連絡を取っていなかった。


あの日、告白されたあのときあたしがうんと言えばそれですんだのに……


うんと言えなかった。

口から出たことばは考えさせてだった。

『来週の花火大会の日に答えを聞かせてな』

それだけ言われてもう1週間もたった今日は花火大会だ。

祐希は夏期講習で行けないから今日は四人。
沙織に選んでもらった浴衣を着るけれどあまり乗り気ではないのが事実。


雅を想えば想うほど辛くなっていくあたしの心がよくわからないよ。

「おっじゃましまーす!」

沙織がやってきてあたしの部屋に来る。

「浮かない顔をしない!どうしたってわけ?雅くんと両思いなのに。」

「ほんと、あたしどうしちゃったんだろう。嬉しいはずなのに辛いよ。」