雅たちの夏は終わった。

1球も打てずに、最後になってしまった。

重たい雰囲気が作られるなかで雅だけはちがう。
「いやぁ、応援聞こえたんだけどなぁ?なーんか、怖いな。あっちのやつらが投げてくる球。まじで、最後少し回転かかんの。こえーって!」

笑いながら、タオルと水筒をとる。

「よく、頑張った。お前らは、勝ち残れただけでもすごいんだ。もっと、力になることができたら良かったのにな。
本当に、お疲れさま。」

星場先生が話始めると鼻をすする音が響いた。

あぁ、泣いてるんだ。ってすぐにわかった。

雅たちは、後輩に優しくて差別しないでまっすぐだった。

だから、後輩たちも雅たちのプレースタイルがあたし以上に好きだから涙が出るんだね。

あたしも、ポロポロと涙がこぼれてきた。