「篠原くーんっ」
「今年は冬也さんと同じクラスですのよー!//」
コイツの回りからわき出る女子の黄色い歓声。
うちは‘やかましい’ちゅう感情を顔に出しながら振り向おった。
「冬也、自分こそ、その周りの害虫どないにかならへんわけ?」
「「「が・害虫ですって?!」」」
悔しさなんか怒りなんかはたまた両方なのか、顔を赤くしとる。
「ちょっとあなた!今の言葉とりけしなさ─」
「あかんへいへい。でぇ、冬也、アンタうちって同じクラスやんな?連れてって」
相手ぇにしやん。
めんどいくさいよってに。
「ぁあ?テメェ俺に道案内しろってか?」
冬也も相手にするわけじゃない。
うちが一瞬鼻で笑うって、周りに居た女子は一瞬悔しそないにし、うちを睨んで去っていった。
「うち一人で動おったら…迷子になるとちゃう!!」
「威張って言うなよ」
迷子になる。
これは嘘じゃない。
うちが今日から通うこの成永学園は、東京ドーム数十個分という金をかけてかけてかけまくった学園。
去年までごくごく普通の中学校に通っとったうちにとって、この学園は……
広すぎたんや。
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