思い描いていたイメージとあまりにかけ離れた単語の連続に、頭が軽くパニックを起こしている。

でも、その前に、よく考えたら、私、あいつのこと、知ってるようでまだ何にも知らないのかも。


「あら、やだ。仲良くしてるから、知ってるのかと思ってた。ちょっとお喋りが過ぎたかしら。じゃ、奥さんのことも何も聞いてない?」

「はい。」

「じゃあ、勝手に喋ったら、敦史くんに怒られちゃうわね。これくらいにしとかないと。」

「..........。」


そう言えば、奥さんのことは、出て行っちゃったこと以外、何も知らない。

本当はそれが、一番知りたいことなんだけど。

驚かされてばかりだから、聞くのもちょっと怖くなって来ちゃったな。

あいつはどうして、わざわざシングルファーザーになることを選んだのかな?


「さぁ、そろそろ帰らなくちゃね。じゃあ、今度、本当に遊びに来てね。そのうち、庭でお芋焼いたりするから。」

「あ、はい。ありがとうございます。」

「バイバイ、つばさくん。」

「バイバ〜イ。」


奥さんの背中を見送りながらも、いろんな気持ちと情報が、頭の中で交錯している。

あいつって、一体何者なの?

私が思ってるよりも、すごい人なのかな?

ただでさえ気になってたのに、もう気になって気になってどうしようもない!!