若干強引だけど、誘われて嫌な気はしない。

と言うか、むしろ嬉しい。

今まで周りにこれほど温かく受け入れられたことはなかったし、誰かに特別に親切にしてもらうような機会もなかったから。


あいつと知り合ったおかげで、翼と二人きりだった世界が広がって行く。

何だか不思議な感覚だ。

忙しくても明るくいられるし、気持ちに余裕ができた気がする。

子育ては楽しいものなんだって、改めて思えるようになった。


「気軽に遊びに来てね。希ちゃんは孫みたいなものだから。」

「みたいですね。羨ましいです。」

「淳史くんのことも、主人は本当の息子みたいに思ってるし。」

「いいですね、そういうの。」

「敦史くんがいてくれてうちも助かってるのよ。大手ゼネコンの出身だし、一級建築士も持ってるから、やっぱりどこの現場行っても、いろいろと気が回るみたいなの。なのに、そういうの引けらかしたり威張ったりしないし、優しいでしょ。職人って、それこそ中学しか出てないような子もたくさんいるから、敦史くんの存在って大きいと思うの。」

「.....そう、なんですか?」

「あら、知らなかった?」

「はい、全然。」


ねぇ、待って!!

大手ゼネコン? 一級建築士?

何それ? 嘘でしょ?

まったくイメージ湧かないんですけど。


ってことは、それなりの大学を出てたりするってことよね。

そうなの? ホント?

元ヤンじゃなかったの?

今までずっと金髪頭に騙されてた..........