しょうがねーな、まったく。

そんな下らないない葛藤を、翼に悟られてはたまらない。

実際、あいつがお迎えに来る度、遊んでもらっていた翼の方が、私なんかより何倍も寂しいだろうし。


小さな子供の感覚では、「一週間」は計り知れないほど長い日数なのだろう。

三日目になると、こんなことを言いだした。


「ねぇ、ママ。今日ものぞみちゃんはおくさんと帰ったよ。のぞみちゃんのパパはまだお迎えに来ないのかな?」

「一週間くらいって言ってたから、もうすぐじゃない?」

「一週間って、どのくらい? あと何回、寝たら?」

「あと四回かな。日曜日も入れたら。」

「そんなに会えないの?」

「うん。もしかして雨が降っちゃったりすると、もっと長くなっちゃうかもしれないけど。」

「えぇ~!! そうなの? 」

「希ちゃんのパパのお仕事は、雨がいっぱい降るとできなくなっちゃうの。雨が降らないといいね。」

「やだ。のぞみちゃんのパパと遊びたい。」

「わがまま言わないの。お仕事なんだから、仕方ないでしょ。」

「いいな、のぞみちゃん。僕もパパがほしい。」

「..........。」


やっぱりそうなるのか。

気持ちはわからなくはないけど。


それは翼の正直な気持ちだもんね。

心の中に溜め込まないで、言うようになっただけでも良かったよ。

でも、何度言われても、グサっと来るよなぁ..........