しょうがねーな、まったく。

「じゃ、しばらく会わないけど、何か困ったことがあったら連絡して。」

「え、でも.....。」

「他に頼る相手いんの?」

「いないけど.....。」

「ほら。」

「.....わかった。その時はよろしく。」

「了解。」


一見、上から目線な言い方だけど、やっぱり嬉しい。

頼っていいんだっていう安心感と、一人でつよがってる私を気使う優しさを、一度に受け取っているみたいで。


もしかして、こういう言い方しかできないのは照れ隠しだったりするのかな。

そう思うと、ちょっと可愛くも思えて来る。

すっかり頼らせてもらっちゃってるけど、この人、きっと私より年下なんだろうし。


ついこの間まで会うのが嫌でたまらなかったはずなのに、一週間も会えないと思うと、寂しくなってしまうのはどうしてだろう。

でも、気になるのは当然だよね。

希ちゃんはここの園に来て最初のお友達だし、急なハプニングのせいとは言え、私たち親子をここまで心配してくれた人は初めてだ。

どうしたって、その存在感の大きさはゴマかせない。


手を振りながら去って行く二人の後姿を見送るうち、何だか温かい気持ちになって来る。

ようやく、おとなしく子供乗せ椅子に収まった翼も満足そうだ。


このまま上手く協力し合って、穏やかに過ごして行けたらいいな。

同じ気持ちで子育てしている仲間がいてくれると思うと、それだけで本当に心強い。