しょうがねーな、まったく。

また初耳だ。

そんな交友、翼にもあるんだ。

翼はおしゃべりな方だと思ってたけど、保育園であったことはあんまり私に話してくれてないんだな。

ここ何日かで、それが嫌というほどわかった気がする。


「じゃ、ここでバイバイだな。翼。」

「うん。また明日、遊ぼうね、のぞみちゃん。」

「また明日ね。つばさくん。」

「あ、そうだ。明日から、一週間くらいかな。俺、ずっと帰り遅いんで、お迎えは社長と奥さんになるから。」

「そうなんだ。」

「現場が遠いんだよ。朝も早いから、希も大変になっちゃうんだけどね。」

「へぇ、希ちゃんもパパの時間に合わせて起きるの?」

「うん。可哀想だけど、こればっかりは仕方ないし。希も頑張ってると思うよ。」

「偉いんだね、希ちゃん。」

「翼も同じだろ。ちゃんと自分の立場、わかってて、いろんなこと考えてんじゃん。」

「うん。それはそう思うし、ちょっと反省した。」

「反省?」

「私も、もっと翼の話聞いてあげなくちゃね。」

「うん。そうした方がいいよ。」


できていなかったと認めてしまうと、すごく気が楽になる。

どうして今まで気が付かなかったんだろう。

今からでも遅くないよね。

これから本当に頑張らなくちゃ。