よっぽど嬉しいのか、テンションの上がった翼は、保育園を出る時から自転車の子供乗せ椅子に乗ってくれなかった。
そのまま歩きながら、のぞみちゃんと手を繋いで、何やら聞いたことのないメロディを歌っているというか、怒鳴っている。
決して上手く歌えてないから、近所迷惑になってるんじゃないのかヒヤヒヤしてしまう。
にしても、珍しい。
保育園で習った歌なのかな。
うちにいる時、鼻歌で出て来るのは、「お母さんといっしょ」でやってる曲か、仮面ライダーのテーマソングくらいだ。
やっぱりちゃんと見てると、いろんなことに気が付くものなんだ。
「あ、そうだ。一昨日、お土産でもらったお菓子、美味しかった。ありがとう。」
「こちらこそ、本当にありがとう。助けてもらってなかったら、どうなってたことか。」
「ああいう突発的な会議ってしょっちゅうあるの?」
「ううん。そんなことない。特別に懇意にしてる取引先があるんだけど、そことの商談が絡んでる時だけは、そっちの都合優先になっちゃうみたい。」
「何、それ? 面倒くさいな。」
「大きな会社じゃないから、仕方ないんじゃない。」
「なるほどね。」
担当者もあんまり好きじゃないし、細かい所にうるさいし、確かに面倒な取引先だ。
でも、そのせいで、この人とだいぶお近付きになれた訳だから、今回ばかりは目を瞑ろう。
そのまま歩きながら、のぞみちゃんと手を繋いで、何やら聞いたことのないメロディを歌っているというか、怒鳴っている。
決して上手く歌えてないから、近所迷惑になってるんじゃないのかヒヤヒヤしてしまう。
にしても、珍しい。
保育園で習った歌なのかな。
うちにいる時、鼻歌で出て来るのは、「お母さんといっしょ」でやってる曲か、仮面ライダーのテーマソングくらいだ。
やっぱりちゃんと見てると、いろんなことに気が付くものなんだ。
「あ、そうだ。一昨日、お土産でもらったお菓子、美味しかった。ありがとう。」
「こちらこそ、本当にありがとう。助けてもらってなかったら、どうなってたことか。」
「ああいう突発的な会議ってしょっちゅうあるの?」
「ううん。そんなことない。特別に懇意にしてる取引先があるんだけど、そことの商談が絡んでる時だけは、そっちの都合優先になっちゃうみたい。」
「何、それ? 面倒くさいな。」
「大きな会社じゃないから、仕方ないんじゃない。」
「なるほどね。」
担当者もあんまり好きじゃないし、細かい所にうるさいし、確かに面倒な取引先だ。
でも、そのせいで、この人とだいぶお近付きになれた訳だから、今回ばかりは目を瞑ろう。

