しょうがねーな、まったく。

なんて、浸ってる場合じゃない。

さっさと家の中を片付けなくちゃ。

散らかったままにしておいたら、あいつに何を言われるかわからない。


それに、よく考えたら、うちにお友達が来るのは初めてだもんね。

今までそんな余裕も無かったし、保育所時代はそれほど深く親交のあるお友達もいなかったし。


なのに、いとも簡単に、ここまで近い存在になっちゃうあいつってスゴい。

何なんだろう。

特に優しくもないし、愛想がいい訳でもない。

口も悪いし、ダミ声だし、どちらかと言えばとっつきにくいし。


でも、今までのことを思い返してみると、やっぱり本当は、中身がすごく優しくて温かい人なんだよね、きっと。

じゃなきゃ、こんな面倒な申し出、絶対してくれないだろうし、翼だってあんなに懐くはずがない。


どんな人なのか、まだ詳しくはわからないけど、これからも仲良くしてもらえたらいいな。

あいつのことも希ちゃんのことも、もっといろいろ知りたい。


安心して、グッスリ眠り、次の朝、起きると、翼の熱は少し下がっていた。

しかしながら、37.5℃。

保育園に行けないギリギリの体温だ。


だけど、昨日よりは顔色も良いし、本人もケロっとしておもちゃで遊んでいる。

このくらいなら、頼んじゃってもそんなに迷惑かけないで済むかな。

このまま回復の方向に進んでくれるといいんだけど。