しょうがねーな、まったく。

早く来いとまくし立てる先生に、電車の中だからと言い訳をして、手短かに電話を切り、ダッシュで保育園に向かった。

すると、すでにお迎えに来ているお母さんの姿もチラホラ見受けられる。


そうか、もうそんな時間なんだ。

すっかり遅くなっちゃった。

翼に悪いことしたな。

これじゃ、先生にも呆れられちゃうよね..........


「あぁ、やっといらしたんですね。」

「すいません。」

「明日も無理なんじゃないですか。無理して登園しても、また熱が上がっちゃうだろうし、お家でゆっくりされた方が。」

「そうですね。」

「すぐに来られない理由もわかるんですけど、お迎えが来ないとお子さんも不安になると思うので、もうちょっと早めに来ていただけませんか?」

「はい、次からはそうします。すいません。」

「お願いしますね。具合が悪いのに、あんまり待たせるのも可哀想ですから。」

「はい。」


わかってはいるけど、できないものはできないんだから仕方ない。

次はもっと頑張ろうと思うし、もちろん努力もするけど、実際にどうなるかまでは約束できない。


こういう時、どうしても切なくなる。

自転車の子供乗せ椅子の中でグッタリしている息子を見ていると、涙が出そうだ。

翼には本当に申し訳ないと思っている。

だけど、これからも親子二人で頑張って行くしかない。