しょうがねーな、まったく。

..........言っちゃった。

勢いで明日も出勤するとか言い張っちゃったけど、翼、大丈夫かな。

もちろん心配だし、本当はずっとそばに付いていてあげるべきだと思う。

だけど、後々のことを考えると、ここで安易に私より後輩の女の子に仕事を譲る訳には行かないのだ。


会社側からすれば、時間に融通が利いて、お給料も安い若い女の子の方が使いやすいに決まってる。

今の時点だって、必死に定時に上がろうとする私を疎んでいる上司がいることはよくわかっている。


だから、できる限りのことはしておかないと。

決して大きな会社じゃないし、いつ契約を切られてしまうかわかったもんじゃない。

そうなったら、翼を抱えてまた一からやり直しだ。

もう三十路も見えて来ちゃったし、それは極力避けたい。


でも、どうしよう。

もし明日、翼が高熱を出しちゃったら。

一応、病児保育のサービスには登録してあるけど、初めて家に来るシッターじゃ、翼も緊張しちゃうよね。

料金も高額だから、正直なところ、使いたくないし..........


保育園に向かう電車の中で悶々としていると、携帯が鳴った。

ヤバい、保育園からだ。

急がないと、また怒られちゃう。