かと言って、いつまでも無認可園に預け、高い延長保育料を払い続けるのもキツいし、狭い保育所に押し込めるより、やっぱり園庭のあるきちんとした保育園に通わせたい。

 小学校に上がってからのことを考えると、同い年の子供の集団にも早く慣らしておきたいし、父親がいない子だからこそ、たくさんの人と触れ合うチャンスも作ってやりたい。

 だから、今の保育園を選んだことは正しかったと思っている。だけど、普通の家庭が当たり前のようにこなしていることすべてが上手く行かないから、どうしても切なくなる。疲れるし、イライラする。時には世の中全部が敵に見えることもある。

 それでも、無事に希望の保育園に入れただけ、我が家は幸せだと思わなくちゃいけないし、文句ばかり言っていても埒が明かない。雨の日も風の日も駅から自転車を飛ばし、我が子の待つ残り僅かになった明かりの点いている教室へ向かうしかない。

 急げ、急げ。またビリになっちゃう。いや、でも、もうアウトかなぁ.......

 時計をチラ見すれば、お迎えの時間をすでに一時間近く過ぎてしまっている。