しょうがねーな、まったく。

「青空ちゃん、おはよ~。」

「おはよう、京子さん。いつもはこの時間じゃないよね?」

「うん。下の子に手が掛かるから、いつもはもっと遅いよ。今日は旦那が休みだから置いて来たけど。ま、なんだかんだ言って、会社寄ってから仕事行く日も、朝は旦那に任せちゃってるけどね。」

「そうなんだ。いいなぁ。旦那さん、優しいんだね。」

「全然。青空ちゃんは、いつもこの時間に送ってから会社?」

「そう。あ、ねぇ、京子さんって、お料理も得意だよね?」

「うん。特別なものは作れないけど、普通に一通りは出来ると思う。」

「なら、お願い。私を助けて。」

「は? 何、突然?」

「運動会あるでしょ?」

「うん、あるね。」

「みんな、どんなお弁当作ってるの?」

「あぁ、うちはガッツリ肉って感じ。奥さんが手間かかる煮物とか果物とか結構持って来てくれるから、甘えてるっちゃ甘えてるかな。」

「なるほど。で、肉って例えば?」

「から揚げとか、肉団子とか、焼き鳥とか? 運動会だし、子供が食べ易そうなの。」

「ふ~ん.....。」


京子さんが興味津々と言わんばかりに、私の顔を覗き込んでいる。

すでに面白がられてるような気もするけど、この際、そんなことは構ってられない。


「青空ちゃん、もしかして料理苦手?」

「うん。」

「そっか~!、わかった。敦史くんにどんなお弁当作ってあげようか悩んでるのね。」

「ち、違うって!!」

「嘘つきは嫌~い。」

「嘘ついてない。」