塩系男子の恋愛事情

そこにいたのは、
「あっ…」

「小笠原くん…」

小笠原くんだった。

「ちょうどいいや。

じゃ、また会社でな」

辻本くんは天の助けが現れたと言わんばかりに、その場から逃げ出した。

「あっ、ちょっ…」

呼び止めようとしたけれど、彼は会計を終えたところだった。

この場にいるのは、あたしと小笠原くんの2人だけになった。

「で、辻本と何の話をしていたの?」

そう聞いてきた小笠原くんに、
「辻本くんとはたまたま会って、飲んでいただけで…」

あたしは答えようとした。