塩系男子の恋愛事情

「ああ、そう…いや、ちょっと待て!

ジョーダンだったとしても、今のはちっとも嬉しくないわ!

早い話が小笠原の身代わりじゃねーか!」

「いいじゃないのよ!

もう小笠原くんと別れる!

これ、決定!」

そう宣言した後でグラスに口をつけようとしたけど、
「いや、待て!

落ち着け!

酒は控えろ!」

辻本くんがあたしの手からグラスを取りあげた。

「何よ、ケチー!」

「ケチで結構、コケコッコー!」

ギャイギャイと自分でも訳がわからないやりとりをしていたら、
「ずいぶんと楽しそうだね」

聞き覚えのあるその声に、あたしたちはハッと我に返って視線を向けた。