塩系男子の恋愛事情

そう言った辻本くんの顔を、あたしはジッと見つめた。

「…何だ?」

見つめられた辻本くんは戸惑っていると言う顔をした。

「辻本くんは、あたしのことをどう思ってるの?」

そう聞いたあたしに、
「はあ?」

辻本くんは訳がわからないと言う顔で聞き返した。

「小笠原くん以外の同期では辻本くんと仲がいいから、あたしのことをどう思ってるのかなって」

あたしは聞いた。

「別にどうにも思ってねーよ。

仲のいい同期だなくらいには思ってるけど」

「ふーん」

「ふーん、って…」

聞いてきたのはお前だぞと呟いた辻本くんの声を無視すると、あたしはカシスオレンジを一気に飲み干した。