塩系男子の恋愛事情

「大切にされているじゃん」

辻本くんは言い返した。

ほったらかしにされている、の間違いじゃないかしら?

「あーあ、何で小笠原くんはあたしに告白をしてきたんだろう?

何で好きだ、つきあおうって言ってきたんだろう?

と言うか、これでつきあってるって言えるのかな?」

あたしは両手で頭を抱えた。

「つきあっているじゃないか。

小笠原のヤツ、城田のことを大切にしているじゃないか。

セックスはもちろん、キスや手を繋ぐことも我慢しているなんて、本当に男らしいヤツだぜ。

俺だったらそうはいかねーよ」

辻本くんはフワフワと、柔らかそうな茶色の髪をかきあげた。