若の瞳が桜に染まる

「…これ、書いたら…、また会社に戻れる?」

「もちろんだ」

植物が好きな日和なら、妥当な質問だった。屋上の様子が気になっているだろうし、これからも世話を続けたいのだろう。

「天祢さんとも離れないで済む?」

「あぁ、好きなだけ一緒にいると良い」

我久は隣で聞いていてこの質問の真意を測りかねていた。辰久に自分達の関係を信じこませる為なのだろうか。だとしたら、その答えがイエスであれノーであれ関係無いだろうが…。

「じゃあ…」

それだけ確認すると、日和はあっさりとペンを握った。