若の瞳が桜に染まる

やはり疲労しきっているのか、日和の体にはあまり力が入っていない。ほぼ抱えるような形で我久の部屋まで連れていった。

「今日はもう寝な。誰もこの部屋には近づかせないから、安心して良いよ」

「…うん」

慣れない環境に気を張り、身体的にも精神的にも疲労困憊だったのだろう。蘭が敷いた布団に倒れるように横になると、すぐに寝息を立てていた。

我久は日和が眠るその部屋の外で、見張り役として仮眠をとった。

だが、全く眠れなかった。
目を瞑っても日和を助けるのがこんなにも遅れたことに対する後悔の念が押し寄せてくる。