若の瞳が桜に染まる

「我久。よく聞いておけ。

こんな可愛い顔しておいてその嬢ちゃんはな……。

警視庁のトップ、警視総監の娘だ」

「……」

声は出なかったが、衝撃の真実に我久は思わず振り返って日和を見た。

警視総監というと、警察と天祢組との協力体制の上で当然ながら重要な立場にいる人物。
辰久と警視総監である柊忠義のそれぞれの指示で、裏も表もバランス良く組織が動いているのだから。

ということは、柊忠義の娘が日和ということになる。

協力体制を敷いているにも関わらず、なぜ日和が連れてこられたのか。そこにはもちろん理由があった。