若の瞳が桜に染まる

襖を開けてまず目に飛び込んできたのは、呻き声をあげて部屋のあちこちに倒れ込んでいる男たち。組の者であるのは間違いない。

…そして、部屋を見回すと、隅のほうに座ったままに俯き震える日和の姿があった。

予想はついていたが、その光景に目を疑った。

…いつからだ?
いつからこんな状況に置かれている?
まさか、拐われた日からずっとここに監禁されていたのか?

我久は怯えきっている日和を目にして、グツグツと怒りが込み上げてきた。
ぐっと拳を握りしめて部屋の中央を見やる。

畳が並ぶ部屋の中央、そこに敷かれた座布団には組長である天祢辰久が、動じずに和服姿で座っていた。後ろの壁には読めない掛け軸が、その下には日本刀が飾られてある。