若の瞳が桜に染まる

日和は決心したように顔をあげた。

「……嫌、じゃない。

…やっぱり、ずっと…、我久といる」

涙をこぼしながらの言葉を、じっと聞いた。そして聞き終わった途端に、半分反射的に日和を抱き締めた。

もう、手を触れているだけでは足りなかった。

たった数日だが、離れていた時間を取り戻すように強く抱き締めた。

「大好きだよ」

日和だけに聞こえるように。
きっと、他に誰かいたら照れて言えない言葉を、今なら素直に言えた。

気がつけば空からは星が消え、新しい朝を迎えようとしていた。
久しぶりに朝が清々しく思えた。

我久は、肩に身を委ねて眠っている日和に、こっそりと口づけを寄せた。