若の瞳が桜に染まる

夜になると、再び楠井が部屋を訪れた。

「あーあ、やってくれたね。
見てよこれ。完全に枯れちゃった」

楠井が手にしていたのは、今朝忠義が日和に見せた品種改良したという葉。

しおれた葉が鉢の土の上に全て散ってしまっている。
残った茎も紫っぽくなっている。

「どの植物にも関係無く日和の影響は及ぶの?
そんなとんでもない能力持ってんの?
勘弁してくれよ。

これ貴重な植物なのに、もう使い物にならないって柊さんカンカンだよ?

さすがにもう庇えない」

「そ、そんなこと…言われても…」

問答無用で乱暴に日和の腕を引いて立ち上がらせる。
地下室へ連れていくつもりなのだろうか。