若の瞳が桜に染まる

「ねぇ、何してんの?言ったよね、逃げようとしたら地下に閉じ込めるって。

あんまり怒らせないでほしいな。日和の力じゃ俺に敵わないことくらいわかってるでしょ?

力で捩じ伏せることもできるけど、そうしないであげてるの。
それともこのまま、地下に行く?」

地下がどんな場所なのかなんて知らなかったが、恐怖心から日和は小さく首を横に振った。
何よりもこの状況を打破したかった。

なんとか解放されたが、まだ終わってはいなかった。

「うん。だったらここで良い子にしててよ。

でも困ったな。
これでも俺は怒ってるんだよ?

そうだな…、キスさせてくれたら許してあげようかな」

「…」

楠井のあまりに馬鹿げた発言に日和は声も出なかった。