中にはドンと大きな机が置いてった。そしてそこには、既にとある男性が座っていた。

彼は日和を見ると、にやりと笑った。

「久しぶりだな。
だいぶ母親に似てきたんじゃないか?」

その言い方に嫌悪感が渦巻く。

そこにいたのは日本の警察の頂点に君臨する男。そして、日和の父親である柊忠義だ。

自分の父親を前に、日和を支配した感情は怒りだった。

「…」

「何も言わない、か。

そうだ、私からの贈り物は受け取ってくれたようだな。気に入ってもらえて良かったよ」

贈り物とは、あのオルゴールのことだった。