次の日、日和はまともに眠れないまま朝を迎えた。

「日和、起きてる?
話があるから出てきてほしいんだ」

部屋の外から楠井の声がした。

扉を開くと、鍵はあけられていた。

「…何?」

「おはよう。よく眠れた?

そろそろ何でこんなことになったのか知りたいだろうと思って。
おいで」

腕を引かれ廊下を進む。一面に絨毯が敷き詰められていて、至るところに壺や誰も座ることのないだろう飾られた椅子などが置かれている。

「ここだ」

とある扉の前で立ち止まった楠井は、そのまま入っていった。