若の瞳が桜に染まる

天気がよく気分一新できそうな空気かんだが、我久の心は晴れなかった。

「あ、これ…。
ゲッカビジン…」

誕生日を祝ってくれた時には綺麗に咲いていたその花は、今や見る影もなく灰のように枯れていた。

違う、これだけじゃない。

よく見ると、他のどの花も黒くなったり花だけが落ちたりと変な枯れ方をしている。

「日和の方には香織が話聞いてるみたいです。結構はぐらかされてるらしいですけど。

日和が屋上に来なくなったから花も枯れちゃって…」

日和のことを良く知る我久にとっては、世話が行き届いてないから枯れてるのではないことくらい明白だった。