若の瞳が桜に染まる

準備が良かったお陰か、我久に大きな出番は無かった。

無事に闇カジノを潰せたことで安心した我久は、蘭の姿を見て平常心が崩壊した。

思い出される数時間前の出来事。どうして蘭があんなことをしたのかはわからない。
ノリや挨拶でキスをするようなタイプには思えない。

「わからない…」

思い悩む我久とは対照的に、蘭はいたって普通だった。
いつものように切れ味よく暴れて、いつものように何人もの男を倒していたのだから。

「我久、怪我なかったか?」

何も変わった所などなかった。

ならば我久も、あまり気にしないようにしようと思った。