「そうだ、今日の夜先輩たちと飲みに行くんですけど、天祢さんもどうですか?」
そのままオフィスへ戻るかと思ったが、足を止め、香織は何とも自然に我久を飲みに誘った。その相手を気遣わせない会話の持っていき方に我久は感心すらしていた。
「あー、ごめん。せっかくだけど、今日は用事あるんだ…」
「そうですか。急に誘ってすみません。また、お誘いしますね、それじゃ」
残念そうにしながら、軽く会釈をして香織はオフィスの中へ入っていった。
再び一人となった我久は大きく息を吐いて、事の重大さを把握する。
「今日予定なんて無いだろ…」
咄嗟のことで頭が軽くパニックに陥っていた我久は、せっかくの誘いを嘘で断っていたのだった。
だが、彼にとってはそれ以上に気がかりなことがあった。
それは、香織と話したことで強くなった胸の鼓動が、今もそのままに鳴り続けているということ。
もしこれが日和に対しての物と同じだとするならば、自分は女性なら誰でもいいのか、ということになりかねないのだ。
そのままオフィスへ戻るかと思ったが、足を止め、香織は何とも自然に我久を飲みに誘った。その相手を気遣わせない会話の持っていき方に我久は感心すらしていた。
「あー、ごめん。せっかくだけど、今日は用事あるんだ…」
「そうですか。急に誘ってすみません。また、お誘いしますね、それじゃ」
残念そうにしながら、軽く会釈をして香織はオフィスの中へ入っていった。
再び一人となった我久は大きく息を吐いて、事の重大さを把握する。
「今日予定なんて無いだろ…」
咄嗟のことで頭が軽くパニックに陥っていた我久は、せっかくの誘いを嘘で断っていたのだった。
だが、彼にとってはそれ以上に気がかりなことがあった。
それは、香織と話したことで強くなった胸の鼓動が、今もそのままに鳴り続けているということ。
もしこれが日和に対しての物と同じだとするならば、自分は女性なら誰でもいいのか、ということになりかねないのだ。


