若の瞳が桜に染まる

「…。

…ごめんね」

日和のどうしようもない思いが、既に植物大きく影響を与え始めていた。

また、あの頃みたいに真っ暗な世界で生きていくのかな…。

日和は、施設を出たばかりの頃を思い出していた。

「やはり逃げ出そうとしておったか」

庭から声がしてはっとして、目を凝らしてみると、徐々に近づいてくる人影が見えた。

「お祖父さん…」

珍しく一人でやって来た辰久に、日和はあっさりと部屋まで戻された。