若の瞳が桜に染まる

長くカールした黒髪は艶があり、美人でスタイル抜群。目の下の泣きぼくろが更なる色気を醸し出しているこの女性は、日和と共に入社した岡本香織。吉田のお気に入りでもある女性。

我久としては、まず彼女に名前を覚えられていたことが意外だった。

「あ、今から、外回りに行こうかと…。岡本さんは?」

仲の良い男性社員なら、吉田に対する愚痴でも言っていただろうが、動揺からか、正直に屋上に行くとは言えなかった。

「倉庫に資料を取りに行ってました」

にっこりと笑って資料を見せる彼女に、我久はまた心臓が高鳴っていた。