袋の中にはその他に何も入っていない。日和への贈り物だとしても、送り主の意図がわからない。

困った日和は、オルゴールの箱を開けた。
最初は何の音楽かわからなかったが、だんだん聞いたことのあるメロディになってきた。

と、そこで気になったのは、箱を開けてから出てきたメモ紙のようなもの。
二つ折りにされてオルゴールの中に入れられていた。

開いて良いものなのかと戸惑ったが、これで誰がこのオルゴールを置いたのかわかるかもしれないと、思いきって開いた。

「…なに、これ……」

じわじわと大きな波が押し迫るような感覚に襲われ、その場にしゃがみこむ。

呼吸も荒くなり、頭には思い出したくない記憶が勝手に浮かんでくる。