若の瞳が桜に染まる

屋敷の外での出来事などつゆほども知らない我久は、最近派手な動きを見せている茶島会の話を、旬から聞いていた。

「そういやこの間、喧嘩売ってきた茶島会の奴をうちの組員が返り討ちにしたって話ですよ。

他にも、警察から依頼された政界の大物の裏金の件あったでしょ?
その政治家にも茶島会が関わっていたようですし、最近妙な動きが多いんですね」

「警察と手を組もうとしてるって話もあるみたいだからな…。あそこはやることが凶暴だから気を付けないといけない」

「はっ。あんなイカれた連中天祢組の足下にも及ばねーっつーの。
意気がってるだけだ」

「だから危ないんだ。
こっちの世界にも一応ルー ルはある。それを無視して何してくるかわからない。一般人だって巻き込みかねない」

三人は畳の上でくつろぎながらそんな物騒な話をしていた。

その横で日和は特に気にする様子もなく、図鑑に没頭している。