若の瞳が桜に染まる

「おーい。まだ俺は飲み足りないぞー。
もう一軒付き合えー」

「え、ちょっと!」

だらんとした声をあげたのは吉田。真っ先に捕まったのは楠井で、助けようとした香織も道連れにされた。

「なんで、私まで…!
天祢さーん!」

吉田は気を利かせたのか、それとも本当にただ飲みたかっただけなのか。わからないが、我久としては非常に助かった。

「…帰ろっか」

「うん」

ちらりと目を合わせた二人は、一緒に歩き出した。