若の瞳が桜に染まる

立ち上がった日和はとっくに別の場所へ目を向けていた。。

「ここの庭、たくさん植物があるね。池のスイレンもあっちで見たキンモクセイも、手が行き届いてる」

「皆が毎日手入れしてますからね」

「あれは?」

日和が指差したのは、普通なら山や街路樹として見るであろう大きな木。

「おぉ、あれに目をつけるとはお目が高い。
こんなでかい木が植えられる庭なんてなかなか無いですもん」

「スズカケノキだね。
珍しい純粋な種類だよ」

手で太陽の光を遮りながら木のてっぺんまで見ようとしている。

その仕草を可愛いと思ってしまうのは一体何なのか。