若の瞳が桜に染まる

「あ…」

女性らしいほのかな香りにくらっとしつつも、何とか意識を冷静に保つ。

これまずいんじゃ…。

人質とはいえ、お嬢が我久さんの結婚相手であることには間違いない。というか我久さんはお嬢のことを気に入ってる。そんな女性に触れてしまうとは…。
バレたら我久さん黙ってないだろうなー。

てか俺、なにくらっときてんだ。

旬はそっと腕を離した。

「ありがとう」

「お、おぅ」

あっさりと離れてしまった日和に、何故か惜しさを感じた。が、そんなものはすぐに捨てる。