若の瞳が桜に染まる

他の人とは見えているものが違うのかもしれない。我久さんが惚れたのもわかるな…。

ってあぶねー。
何納得してんだよ。
ちげーだろ。

そうやって、蘭のことも組の男たちのことも、手懐けようって訳か。

旬は自分だけはそうなるまいと唇を噛み締め、気を引き締めた。

それでも、少なからず日和には同情していた。我久がある程度の自由を確保させているとはいえ、以前と比べたら窮屈な生活を送らされている。
人質という身であるのだから、安全が約束されている訳でもない。

もしも日和が裏切る前に父である忠義が天祢組を裏切れば、日和の身はどうなるかわからないのだから。

旬からすれば、そんな状況で正気を保っていられる方が不思議だった。強靭な精神を持っているのか、それとも何もかも諦めているのか。

何にせよ、旬の目には可哀想な人質として映っていた。