若の瞳が桜に染まる

しかも何もされてないって…。
されてんだろ!

旬は心のなかでそう叫んだ。

「いや、俺たちはお嬢を拐ったんですよ?忘れてないでしょ?」

「それは、我久のお祖父さんが言ったことだって聞いた。だからお祖父さんは怖いけど…。

旬兄も蘭さんも、他の男の人たちも怖いとは思わない。資料を拾ってくれる優しい人だよ」

その目に嘘は無いように見えた。
本当に怖がってないらしい。本当に、噂や評判や見た目よりも、自分で直接体験して感じたことを優先するようだ。