若の瞳が桜に染まる

全部の資料を拾い終えて、庭を見てみたいという日和に付き添った。

見た感じ、日本庭園に日和の姿わしっくりこない。西洋のガーデニングが似合いそうだなんて思いながら後ろに付く。

「ところで、お嬢は俺たちのこと怖くないんですか?」

日和は立ち止まって、じっと旬の顔を見た。
…そんな不思議そうな顔をする質問か?

「前に、我久にも同じこと聞かれた。

どうして?
何もされてないのに怖がらないよ」

なんて、疑問をぶつけられる方がおかしなことだった。

屋敷を見ただけで一般人は近寄らないような危なさを醸し出した組織だ。天祢組という名前を知らなくても、足を踏み入れた時点で身の危険を感じるはずのこの空気。

組長を前にした時には震え上がっていたんだ。ここがヤバい場所だというのは十分理解しているはず。