さらに、日和のおいた掌と小指同士だけが触れ合って、僅に伝わる体温が我久を追い込む。
慌てて庭の花を眺めるも、一瞬にして脳裏に焼き付いた白い脚や細い腕を忘れることなどできなかった。


…無防備すぎる。

これは、俺の傍を安心できる場所と思ってるからこんな格好をしているのだろうか。それとも男として見られていないのか。

「…日和」

「ん?」

純真無垢な瞳を向けられ、それ以上何も言えなくなってしまった。

「何でも、ないです」

そう言って、邪念を振り払う。