若の瞳が桜に染まる

そこには黄色い美しい花が植えられていた。

「あ?あれがどうかしたのか?」

「コチョウランって花。

…蘭さんって名前聞いたとき、見てもらいたいなって思ったの」

コチョウラン。
蘭はその花の名前を知っていた。

自分の名前が入っている花だから、どこかで耳にする度に目を向けていた。開店祝いなど主にお祝いの場で見ることが多かったが、黄色のコチョウランはいまいちピンとこなかった。

「黄色もあるのか?
白とかピンクしか見たことねーけど」

「黄色は珍しいの。
でも蘭さんには、この色を見せたかった」

そう言って日和は蘭の髪を眺めた。

あぁ、そういうことか。