若の瞳が桜に染まる

「…今度旬にでも買わせっか」

「あの…、買うつもりなら、それあげる。

大事に育ててくれる人に育ててもらえるなら、ガジュマルも嬉しいだろうし」

「…。
貰えるか!
敵に借りを作る訳にはいかねーだろ」

「借り…?

…うん、じゃあ仕方ないね」

蘭の言ってる意味がちゃんと理解できているようには見えないが、無理に渡そうとはしてこなかった。
真意を理解できていなさそうな日和に、蘭もやっぱり情けをかけたのかと、怒る気にはなれなかった。

惜しいことをしたかもしれないと若干の後悔の念を抱きつつガジュマルを置き、蘭は次の鉢を運ぶことにした。