―崇人SIDE―

「なあ!!!見た?!あの、蒼と話してたよ!!!」
「…。」

…俺、新山崇人。
なぜか、この学校に女子が転校してきた。
先生の説明も、意味わかんねーし。
てか、転校生もなんか、バカそうだし。
男子校に転校してくるとか、相当のおとこたらしだろ…。
まあ、女子なんて、みんなそうか。

「なあ!!なんか反応しろよ!!!!」
「…蒼だって、女子と喋ることぐらいあるだろ」
「いやいや〜でも、あの蒼だぞ?!」

…確かに、あの女嫌いの蒼が女子と話すなんて、考えられないこと。
しかも、女子に笑顔を見せてるし…。

「てかさ!!!めっちゃ美少女じゃん!」

あ、紹介が遅れたけど、こいつは、同じクラスの友達の和真。
うるさくて、元気で。
すげえいい奴。
それから、可愛い子が大好き。

「俺さ〜見とれたし!!!モデルとかしてんのかな?」
「してたら、こんな男だらけのとこに入れねーだろ」
「あー、なるほど!!」

…それにしても、ちょっと可愛いとか俺も思った。
だって、性格の良さが顔に出てるっていうか…素直に育ったんだろーなって感じ。
俺らとなんて、仲良くしないと思ったのに。
まさか、蒼とあんなに話せるなんて…。

「何の話だよ?」

突然、綺麗な茶色の髪をした少年が現れた…。
って、友達だけどな。笑

「崇人!!また、失礼な事思ってただろ!!!」
「さあな」
「くそ〜」

こいつは、1つ年下の岳人。
部活も一緒で、俺達のクラスに来るぐらい、仲がいい。
精神年齢が低くて、和真よりも元気。
岳人がいると、和真が少し大人に見えるくらい。

「あれ、そーいえば、哲也は?!」 
「哲也さ!!!今日は、なんかテンション高めだったぞ!!」
「マジで?!やべー、聞き込みしないとな!!!」
「もしかして、彼女できた?!」
「ありえる!!!恨むぞ!!イケメン!!!」

…うるさい…とてつもなく。
バカが揃うと、こーなるんだな…。
俺と和真と哲也と岳人は、いつもほとんど一緒にいる。
哲也も二年で、クラスが違う。
まー、俺と同じ人種かな。
バカっぽくは、ない。

「あれ?!転校生ちゃんがいなくなってる!!!」
「え、転校生来たのかよ。ずりー」
「だろ?!しかも、女子!!!」
「はあ?!嘘だろ?!相当のビッチだろ、それ。」
「いやいや〜全然そんな感じじゃないんだよー」
「…」
「清楚系の、でも、おっちょこちょいみたいな…」
「まあ、どーでもいいや」
「これだから、おこちゃまは困るよ〜」
「うっせーよ、バーカ、ハーゲ!!!」
「あ?!」

和真は、本当に幸せなやつだな〜。
転校生ごときで、そんなに楽しく暮らせる。
羨ましいくらい。笑

「俺!次、由宇ちゃんが戻ってきたら、話しかける!!!!」
「…あっそ」

まあ、頑張れ。笑









これから、俺があんなに苦しい思いをするなんて、想像も出来なかった。