"ほら、やっぱり、変だ"

そう心の中で呟く。


彼女は僕に、あまり甘えたり、自ら触れようとはしない、そんな子だ。なのに、そんな彼女が僕に体を寄せている。


彼女から電話が鳴ったのは、何時頃だったか。その時には、すでに彼女の異変に気付いていた。

『...唯くん、今どこにいるかな?』

『家だよ、どうしたの?』

『...行ってもいい?』

『....もちろん、いいよ。
 向かいに行く、今どこ?』

『あっ、いいよ。近くだから
 じゃあ、向かうね。』


そう言って電話は切れた。